タイ政府がハイテク産業の集積地として整備を進める東部経済回廊

タイ政府がハイテク産業の集積地として整備を進める東部経済回廊(EEC)に対する日本企業の期待が高まっている。地理的に東南アジア諸国連合ASEAN)の中心に位置するEECに進出すれば、急成長する東南アジア諸国との結びつきを強められるとみているからだ。ただ、日本企業にはハイテク産業に限定する政策に不満もあり、越境手続きの簡素化など実効性のある規制緩和を求める声も出ている。

 ◆インフラ整備着々

 首都バンコクから南東に約60キロ、タイ中部のチョンブリ県にあるレムチャバン港では、大型タンカーが行き来する港の片隅でクレーンが静かに海底の泥を引き上げていた。タイ政府が進めるEECの再開発事業に向けた環境調査が進む。

 今後5年間で1兆5千億バーツ(約4兆9500億円)を投じ、港の拡張工事やバンコクにつながる高速道路の整備など、インフラ整備を急ピッチで進める。

http://www.freeml.com/bl/15765827/362056/
http://fgaewrgaewr.blog.shinobi.jp/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/faewraer

 タイは周辺国が急成長したあおりを受け旺盛だった海外からの投資が停滞。2016年の外国資本の直接投資は前年比27・5%減の水準にとどまった。

 このため、EECにハイテク産業の投資を呼び込みASEAN経済の中心地に育てたい考えで、最大の投資国である日本に秋波を送る。特に投資が一服した大手企業に代わり、技術力を持つ中小企業への期待感が大きい。

 ◆規制緩和求める声

 プラユット首相は11日、日本の政府関係者や中小企業のトップなど約600人を招いたフォーラムで「私たちを信頼してほしい」と繰り返し、EECへの積極的な投資を呼び掛けた。巨費を投じる事業環境整備に加え、17年中に投資計画を申請すれば法人所得税を5年間にわたり半減させる投資特典も設けた。

http://fgaewrgaewr.blog.shinobi.jp/%E6%9C%AA%E9%81%B8%E6%8A%9E/avwersxfaw
http://fgaewrgaewr.nikki.cmaker.jp/nk-20170916.html

 既に多くの日本企業が進出するタイがASEAN市場の窓口になれば、資本力の小さい中小企業にとっても東南アジアの成長力の恩恵にあずかることができる。LED掲示板を製造する日本セック(富山県射水市)の現地法人の坂井雄二所長は「営業を広げるチャンスだ」と期待を寄せる。

 ただフォーラムに参加した中小企業からは「特典を受けるための技術的な条件が厳し過ぎる」など、自社の実情とタイ政府の思惑とのミスマッチを指摘する声も相次いだ。

 トラックのハンドル位置の違いから同一車両で越境できず、コンテナの積み替えが必要になる国境規制なども進出の障害になっている。このため、日本企業は投資の拡大に向けて実務的な規制緩和を求めていく構えだ。(高木克聡)